「世界一やさしい不動産投資の教科書」がヒットしている浅井佐知子先生。不動産投資において、初心者が気をつけるべき点、成功者と敗者を分けるラインなどを教えてもらいました。
――浅井先生のセミナーに参加されるのは、どんな層の方が多いですか?
浅井先生 8:2で男性が多いですね。サラリーマンの方も多いですよ。「会社を早く辞めたい」という方が多くて、無謀なんですが「不動産投資で稼いで、ここ1年くらいで辞めたい」なんて方もいらっしゃいます。
――それは確かに無理そうです(笑)。
浅井先生 みなさん、不動産投資を始める前は不安で、当たり前ですけど、とにかく失敗したくないんですよ。不動産投資で失敗したくないとなると、「どういう物件を選ぶか」に行き着くんですけど、それは数をこなすしかないんですね。だから自分で良し悪しを判断できるまでは買っちゃいけないんです。
――おすすめされた物件を買っているだけではダメだと。
浅井先生 はい。最近は少なくなりましたけど、一番失敗する例は、不動産投資セミナー業者さんがやってるセミナーに出て、その場で営業されて買っちゃうっていうパターン。もちろん全部がそうではありませんが、やはり自分で判断できないうちに買うというのは絶対にダメです。
――とはいえ、数をこなすというと、結局最初のうちは失敗しそうですが…。
浅井先生 私の書籍に、シミュレーションシートをつけているんですが、かなり条件を厳しくしています。その条件に合う物件を見つけるまでちゃんと待っていれば大丈夫です。
――焦ると失敗する?
浅井先生 はい。だいたい、待ちきれない方が失敗する傾向にあります。やはり、不動産投資で成功するには、焦らず、良い物件を待つことです。わたしのセミナーに来る方には「わたしのシミュレーションシート通りにやれば、失敗しません」とお話ししています(笑)。
――「不動産投資をやろう!」と決意した後は、すぐに買いたくなってしまいますよね。
浅井先生 そうですね。でも、待てない人は、そもそも不動産投資には向いていないと思います。
――浅井先生のシミュレーションシートを使う方は、やはり「楽待」さん(※収益物件が探せる不動産投資サイト)などでご自身で探されるパターンが多いと思うのですが、そうなるとサラリーマンでは厳しい?
浅井先生 サラリーマンでもやられている方はいますよ。通勤電車の中などの隙間時間を利用するといいと思います。1日5分でいいので、物件探しをする習慣をつけてみてはいかがでしょうか?また、私は最初に「不動産投資は事業派ですか?副収入派ですか?」と聞いています。副収入派の場合、おそらく「買ったらその後は何もしたくない」という人がほとんどだと思います。そういう方は築浅の利回りが低い都心のマンションを購入されるといいです。
――はい。
浅井先生 そういうマンションは、まず利益は出ません。なので、頭金をちゃんと入れるか、もしくは自分の定年に合わせて融資の期間を組んで、その間は多少持ち出しも辞さない。本来であれば、自分で払わなければいけないローンを家賃で払っていく、そういう考え方で買う。それが副収入派です。でも、事業派はそういった考え方では買いません。
――利回り高い物件を狙う、それが大事だということですね。
浅井先生 重要ポイントのひとつです。使ってみるとわかるのですが、私のシミュレーションシートに当てはまる物件は、相続がらみの売り急ぎ物件やちょっと地方だったり、自分の知らない土地だったりする場合も。その場合も机上調査をした後で現地調査に行く必要があります。あとは事業なので、経営していると必ず色んなトラブルが起こります。そのトラブルをひとつひとつ対処していけるかが重要です。
――大きいトラブルとしては、どんなものがありますか?
浅井先生 空室ですね。不動産投資にはつきものですよね。
――個人でできる空室対策というのは…。
浅井先生 私もよく相談を受けるのですが、まず大切なのは、管理会社がちゃんと宣伝してくれているかどうか、現状を把握することです。写真がアップされていない、アップされているけどキレイな写真じゃない。アットホームには載っているけど、スーモには載っていない。こういうことがかなりの頻度であるんです。
――なるほど。
浅井先生 その上で管理会社に連絡を取って、「これから客付業者さんの所に行くので、どこを回ったらいいか教えてください」「今までどんな客付業者で決まったのか教えてください」って言うと、管理会社の意識がガラっと変わると思います。
――管理会社…要は元付業者は、客付業者に連絡を取られるのを嫌がる?
浅井先生 そうです。「このオーナーはうるさい」と思わせておくことは大切です。客付業者を回って、「どうして決まらないのか」「どうしたらいいですか?」とシンプルに聞いて、出てきた回答を実践していきましょう。それからもうひとつ、部屋に家具を置いて、電気やカーテンをつけて写真を撮る。ここまでやったら、今まで相談に乗った方は、みんな決まりました。
――やはりサラリーマンにはハードルが高そうですね。
浅井先生 そう思うかもしれませんが、成功している方は、ちょっとした時間を見つけてやっていますね。実際に兼業でやられている方も多くて、成功して不労所得がいっぱい手に入ったから会社を辞めて、「やることない」「暇だ」「会社辞めなきゃよかった」なんて言ってる方々もいらっしゃいます(笑)。
声が非常に聞き取りやすい浅井先生。セミナーが人気のわけが窺えます。
――羨ましい話です(笑)。
浅井先生 でも、それで鬱になってしまった方なんかもいるんです。一番いいのは、サラリーマンやりながら不動産収入があって、心のゆとりを持ちながら仕事することっておっしゃる方がほとんどです。
―なるほど。その方たちは、浅井先生がお話ししたようなことを守っていたから成功できたのでしょうか。
浅井先生 それだけではありませんが、やはり成功する方に共通しているのは、マメで堅実、ちゃんと待てる人。失敗するのは、事業派であっても副収入派であっても、「自分の感覚でやってしまう」人。不動産投資について、そんなに知識がないのに、無理・無謀な計画を立ててしまう人です。
―浅井先生、ありがとうございました。
引用元:浅井佐知子公式サイト https://asai-kantei.jp/
「不動産投資で絶対に失敗させない!」という姿勢でお客様に接している不動産投資コンサルタント。
アパートの賃貸から、土地の有効利用、店舗、事務所の賃貸、不動産売買、不動産鑑定、不動産投資コンサルと鑑定と合わせて計5000件以上の案件をこなしてきた。
簡潔でわかりやすい語り口は、不動産投資初心者からベテランまで、聞く価値あり。著書に「世界一やさしい 不動産投資の教科書 1年生」(ソーテック社)がある。
編集チームより一言:最後に、「最近は地方戸建てがアツいんです!」と教えてくれた浅井先生。気になる方は、ぜひ先生のセミナーに参加してみてください。
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※入居率は2021年3月31日時点のものを掲載しています。